恐怖症や苦手意識はなぜ生まれるのか?
「どうして、こんなに怖いのだろう?」
「どうして、この人が苦手なのだろう?」
頭では「怖がる必要はない」とわかっているのに、身体が反応してしまう。
周囲からは「気にしなければいいのに」と言われることもありますが、ご本人にとっては、簡単に気にしないようにできるものではありません。
その恐怖や苦手意識は、いったいどこから来るのでしょうか。
「怖い」「苦手」には、必ずきっかけがある
「◯◯恐怖症」と呼ばれるものや、強い苦手意識には、その感情が生まれた「きっかけ」となる出来事が存在します。
たとえば、子どもの頃に怖いピエロが出てくるテレビ番組を見て以来、ピエロが怖くなった。

犬に追いかけられた経験から、犬を見るだけで身体がこわばるようになった。

こうしたケースに共通しているのは、 「出来事」が先にあり、その出来事に伴って「感情」が発生している、という構造です。
出来事→感情→思い込み、というシンプルな仕組み
恐怖症や苦手意識の正体は、出来事そのものではなく、その出来事に付随して生まれた「感情」です。
出来事の記憶はやがて風化していきますが、そのときに発生した感情は、「思い込み」として潜在意識の中に残り続けます。
整理すると、次のような流れになります。
1.出来事が起こる

2.その瞬間に感情が発生する

3.その感情が「思い込み」として潜在意識に定着する

これは、日常のあらゆる場面で起きている、ごく単純な仕組みです。
近所に新しくできた店で食事がまずかった経験から「あの店はまずい」という思い込みが生まれ、以後その店を避けるようになる。
誰かに嫌なことを言われた経験から「この人は嫌なことを言う人だ」という思い込みができ、その人を避けるようになる。
狭い場所に閉じ込められて怖い思いをした経験から「狭い場所は怖い」という思い込みが残り、閉所恐怖症につながる。
その感情が強いほど、思い込みは強く、長く潜在意識に残り続けます。
感情は「種」のように潜在意識に眠っている
過去に生まれた感情や思い込みは、土の中に埋もれた種のようなものです。
普段は目に見えなくても、似た状況や刺激に出会うことで、その種が芽を出すのです。

それまで何とも思っていなかったものを、ある日突然「怖い」と感じるようになる。
自分でも理由がわからないまま、特定の場所や物に強く反応してしまう。
その反応の奥には、過去に生まれ、潜在意識の中で時間が止まったように残り続けている「感情」があります。
では、どうすればよいのか―思い込みを手放すという発想
こうした恐怖や苦手意識にどう向き合えばよいのか。
答えはシンプルで、
その「思い込み」を手放せばよいのです。
そのためのプロセスは、次の二段階です。
・きっかけとなった出来事を探す
・その当時に発生した感情を、書き換える
きっかけが特定できれば、その感情を手放すことができます。
これは、私の講座生であるハナさんの事例からもよくわかります。
ハナさんが蓮の実を気持ち悪いと思うようになった原因
ハナさんは蓮の実を見ると、理由もなく「気持ち悪い」と感じていました。
自分ではその理由がわからなかったそうです。

原因を辿っていくと、子ども時代のある場面が出てきました。
彼女は雪深い東北の出身です。
子どもの頃、深く積もった新雪の中を車が進んでいくと、タイヤが跳ねた泥水が雪に飛び散り、ぽつぽつとした穴があいていく。
その光景を「嫌だ、気持ち悪い」と感じていた記憶にたどり着きました。

その、穴だらけの雪の映像が、後年、同じように無数の穴が並ぶ蓮の実の姿と重なり、「気持ち悪い」という感情を呼び起こしていたのです。

原因がわかったので当時の感情を書き換えました。

その直後、ハナさんがネットの画像で「蓮の実」を見てみたら……
なんともう平気になっていました。

このように、本人がすっかり忘れている出来事であっても、記憶を辿っていくことで、原因にたどり着けることがあります。
「今世」だけでは説明がつかないケースがある
16年前、見えない糸に導かれるように、ヒプノセラピーの世界へ足を踏み入れました。
それまで半信半疑だった過去世の世界が面白く、夢中になって探究を続けました。
けれど、過去世という一つの視点だけを追い続けていたら、考え方が偏ってしまうのではないか。
そう思い、大学で臨床心理学やカウンセリングの技法も学びました。
そこでわかったのは、学問としての心理学は、客観的に観察・検証できる範囲を対象としているということでした。
そのため、心の問題の原因を探る場合も、基本的には今世での体験や人間関係、育った環境などを見ていきます。
「その原因は、子ども時代の体験にあるかもしれませんね」と。
検証のできない過去世の領域にまで踏み込むことはありません。
過去世には数多くの「きっかけ」がある
一方、並行して探究していた過去世の世界には、前述した「感情の種」が数多く残されていました。
原因を探る範囲を今世だけに限らず、胎児期や過去世まで広げてみると、今世の記憶をいくら遡っても見つからなかった原因に、たどり着くことが多々ありました。
私がこれまで行ってきた約7000件の「過去世リーディング&書き換え」の中にも、たくさんの実例があります。
過去世という前提について
私は、人は輪廻転生を繰り返す中で、その時々の人生で発生した感情を、次の生に持ち越すことがあると考えています。
たとえば、過去世で高い崖から落ち、強い恐怖の中で命を落としたとします。
そのときの感情が書き換えられないまま残っていると、今世では一度も高所で怖い思いをした記憶がないにもかかわらず、理由のわからない強い高所恐怖として現れることがあります。

実際、今世の中に原因が見つからない苦手意識の多くは、こうした過去世の出来事に起因していました。
「生まれつき」「生まれ持った」と言われるのは「過去世からもってきたもの」ではないでしょうか。
「思い込み」をどうやって手放すのか
「出来事→感情→思い込み」
という仕組みは、今世・過去世を問わず共通しています。
違うのは、その「出来事」がどの人生で起きたものかという点だけです。
今世だけでなく過去世という視点も持てるなら、これまで原因不明とされてきた恐怖や苦手意識も、もっと早く、もっと確実に解き放てることでしょう。
次の記事では、実際にどのように「解放する」のかについてお話します。
(つづく)
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